エメラルドグリーンの肌

ハロプロとか芝居とか漫画とかが好き。小説が書きたい。

LILIUM初見時の感想。

mixiにあった2014年LILIUM初見時の感想を掘り出してきました。

LILIUMが初TRUMPシリーズでした。

 ##はじめての繭期2020 に乗じてこっちにもあげます。

 

 

 

 

モーニング娘。'14、スマイレージハロプロ研修生によるミュージカ「リリウム 少女純潔歌劇」見てきたよ。

もう、ストーリーの悲しさにうるうるしてるのか、メンバーの成長が嬉しくてうるうるしてるのか、自分でもわからなくなってたのであった…
むっちゃよかった。

帰りにパンフも買えたよー。
あと、アフタートークもあったから、普段の普通の女の子な娘。メンバー、スマメンバーも見られて嬉しかったですよ。

と、言うのが見た直後の感想。
自分が見たものが凄まじすぎて頭の中でなかなか消化できず、
最初はハロプロメンバーの著しいスキルアップにしか触れることができなかった。
でも、Twitterでネタバレとか、わたしはまだ未見の関連作品D2の「TRUMP」と合わせての考察をたくさん読んで、
そして行列に並んで買ったサントラも繰り返し聴いて、やっとストーリーと世界観の秀逸さに打ちのめされたのであった…

だから以下の感想は、キャストにばかり言及した観劇直後のつぶやきと、翌日に感極まって書き散らした感想がないまぜになっとります。
基本的にはキャスト一人一人について順番に書いとるよ。

凄まじい長文です。
円盤化までネタバレが絶対に嫌な人、興味のない人は読まないことをオススメします。

 

 


・最初に、今回嬉しい誤算だったのが、あゆみんこと石田亜祐美ちゃん。
あゆみんの大きくて綺麗な動きとか、よく通る声とか、空回りしそうなほどに頑張る姿勢が、すごーく舞台向きだと初めて知った。
あゆみんの第一声の堂々とした様に本当にびっくり。
歌における感情の込め具合も抜群で、歌がちゃんとセリフとして成立していたのにも感心。
うちの席からは「シルベチカなんて知らないわ」の時の、あゆみんのゼンマイ仕掛けのようなキレッキレのダンスがよく見えて満足。可愛かった。

そして、アフタートークで明かされた、実はチェリーとシルベチカは親友だった、だからシルベチカの恋人のキャメリアともチェリーは仲良かった、
それ故の本編での2人の絡みの多さだったという裏設定に、
スマホ握りしめて、思わず泣いた…

・まーちゃんはまーちゃんでした。可愛い。天使。それ以上でもそれ以下でもない。可愛い。
まーちゃんの演技って心許なくて、舞台にあんまり向いてない子だと推しの私さえ思うけど、天性の明るさ、幼さ、可愛らしさは一服の清涼剤になってたな。
セリフもソロも殺陣もあって、とっても頑張っていて、まー推しのおばはんとしては目頭が熱くなったぜ…

小田さくら嬢は絶対舞台向きだと思ってたんだけど、案の定。
あのイノセンスさ。圧倒的な歌の表現力。
声を張らずに芝居をしてもあれだけの存在感、貫禄溢れる佇まい。
オープニングの彼女のソロでわけもなく涙が出た。歌姫とはまさに彼女のこと。
その直後のキャストパレード曲での力強さはさすがの一言。めいめいとの歌唱バトルでないか。

そして、アフタートークでの小田さくら嬢の「昔はずっと死にたくないと思ってた」発言、そして千秋楽後のこの子のブログ読んで再確認…

小田さくら嬢のシルベチカはやはり当たり役であった…

本当に、あなた人生何巡目ですかっていうレベルの悟り具合。感受性の塊。

彼女の歌の上手さは技術的なことはもちろん、おそらくこういう彼女の人生観からもきてるんだろう。
小田ちゃんの初舞台がリリウムのシルベチカ役で、本当によかった…

・あやちょはもう、スノウそのまんまだったな…
あの儚さ…
自分で孤独を望みながらも、ファルスにすがってしまう弱さ、いじらしさ…美しい。
彼女も本当に当たり役。

ファルスと抱き合い、2人の関係性を匂わせるものの「あなたは嘘をついているわ…」とファルスを拒絶するその声の、この世のものと思えない可憐さ…
壊れそうな、か細い美しさこそ、あやちょの真骨頂。

あやちょのソロ曲の美しさにこれまたホロリ。
スマイレージ初期の映像見たら、あやちょは歌が不得意で不安そうに歌ってたのに、
リリウムでの彼女のソロは本当に圧倒的、あやちょにしか歌えない儚さ哀しさそして力強さ。
あやちょは本当に素敵な、スマイレージのリーダーだ。

でも大阪初日はあゆみんとタケちゃんのアドリブコーナーであやちょも引っ張り出されてしまい、
笑っちゃいけない役なのに、ずっと困ったように、でも楽しそうに、にこにこ。
あの可愛らしさ、まさにお姫様…

・くどぅーはちんこついているらしいという噂を聞き、
前半はまさにちんこついとるなぁと男前っぷりに関心してたのですが、ちんこついてるどころの騒ぎじゃねぇ、とんでもねぇ大役じゃねぇか!

しかしその大役をきちんとこなしており、歌声の力強さも素晴らしく、やはりハルはやればできる子!

くどぅーの武器は声だな、マジで。あのハスキーボイスは本当に素晴らしい。可憐でありながら、なんだか背徳的で色っぽくてゾクゾクする。

キャストパレード曲でのハルちゃんの決め場はまさに美少年。
なんの前知識もなく見に行ったので、この美少年っぷりに最初ちょっと笑ってしまったのだが、
観劇後はもうあのキャストパレードですでに軽いネタバレというか、伏線がきちんと張られていたのだな…と打ちのめされた。

うろ覚えだけど、ハルちゃんの出方だけ、準主役並みのソロだったもん。

サントラで聞く「共同幻想ユートピア」。可愛らしく歌うハルちゃんもいいんだけど、
舞台で堂々と歌い上げるその声が、姿が、本当に圧巻。
サントラとは違い、あれは本当に力強い少年の声だった。

ハルちゃん以外のキャストの合唱の時、指揮者の振りをしてるよね。あの時のファルスの狂気。凄まじかった。

そして千秋楽レポで知ったけど、カテコで感極まって泣いちゃったか…
物凄い大役を本当に頑張って演じていたものなぁ…
考えてみれば、この子まだ14歳?!
14歳で物語の核心を背負う役を、喉をからしながら必死に演じ切ったんだな…
本当にすごい、今回のMVPはまごうことなくハルちゃんだ。

千秋楽を迎えた後にupされたブログ読んだら、こっちまでまじでボロボロ涙が出てきて、
本当にしんどかっただろうけど、演じてとても楽しくやり甲斐を感じていたのが見て取れて、
ハルちゃんはこの舞台で本当に成長したなぁと実感した。

・めいめいは、1人、レミゼラブルとかエリザベートとか帝劇作品に出てる人が出てますよね?!という迫力&実力…さすがミュージカル育ち…
感情の流れを見せる上手さが本当に半端ない。
キャストパレード曲のめいめいとさくらの見つめあってのデュエットでの、まるで殺しあうかのようなむき出しの感情のぶつかり合い、
ハロプロで天才の名をほしいままにする2人に相応しい見せ場。

めいめいの役、マリーゴールドは愛を求めただけなのに、
「もう泣かないと決めた」は伸びやかでとても純粋な楽曲なのに、
マリーゴールドは希望に満ちてこの歌を歌っているのに、
実はそれは狂気と表裏一体で、彼女はもう転がり落ちるしかない。

めいめいはこの難しい歌を、
感情を押し殺し生きてきたマリーゴールドが愛を求めて自分を解放する、
そういう感情の流れを見事に表現し、そしてそれが狂気に堕ちてしまう様さえ、歌い切ってみせていた。

たった1曲なのに本当に複雑な心情が、これでもかと詰め込まれた曲。
演出家や作曲者のめいめいの表現力への信頼がなければ絶対に生まれない曲。
めいめいはハロメンでは下から数えた方が早いくらいの若いメンバーなのに…
これはまさにガラスの仮面で言うところの「芝居荒らし」じゃないか。

しかしアフタートークでの、普段はむしろふにゃふにゃした話し方の、賑やかし女の子っぷりのギャップにはやっぱメロメロ。

パンフでの演出家さんの「内包する演技に挑戦してほしい」にも納得。めいめいは発散型だもんな、典型的。
でも15,6歳の時点でこれだけの表現力のある彼女、今後も素晴らしいミュージカル女優として育っていくであろう。

・りなぷーが…まじりなぷー。まごうことなきりなぷー、地球に優しい省エネりなぷー。
パンフにも書いてたけど、こういう「素の状態が1番面白い子」って大切だよなぁと思うんスよね。
全員が全力で前のめりな芝居って役者の客観性が失われそうで、どうかなーと私は思うので。
ところで3バカの中では1番背が高かったね、りなぷー。
3バカ+チェリーの組み合わせだと、ちっこい3人の中に大きい子が1人…その絵面の完成度よ…

・もっとズッキの力強い歌声が聞きたかったなーと思ってたら、演出家さんもそう思ってたのね。やはりバランサーとして抜群のズッキ。
でもあんなに器用でなんでも出来るズッキなんだから、もっとズッキが重要な役やる芝居が見たいな…

・タケちゃん超かわいーい!もう本当に可愛い!アドリブコーナーも可愛くて可愛くてもうーー可愛かったーまんまいつものタケちゃんじゃないか。
タケちゃんの明るさと超音波みたいなあの可愛い声が、
本当このお芝居の憩いの場を作っとったな…

・かにょんはまるでアニメのキャラのような非現実っぷり。
元々二次元みたいな記号的な美少女顔だしな。あの堅苦しい口調は、一人称まろだからかな…などと邪推。元々のアニメ声も、お姉様なのにちっさいところもまた二次元。
歌の表現力はさすが初代エッグの神童!

・フクちゃんはやはりエロい。静かで冷静なお姉様の役なのに、なんともエロい。永遠に縋る弱さのあるキャラだったからか?もっと出番が見たかったなぁ…
お姉様2人はすごくアニメ的なデフォルメキャラだったな。身長差が特に。
そして1番百合百合しいですなこの2人。ファルスも交えてのお姉様組の関係性はエロい。

・最近かななんが好きな私としては、顔の造形の整い具合(美形は男装が似合う)、
優しい物腰、
男の子役だけど走り方が女の子なところを楽しんでたんだけど、
稽古場で演出家も歌唱指導の先生も涙したというおださくとのデュエット「あなたを愛した記憶」で感動。
あのみそっかすがこんなに上手になって…!

でもパンフを読んで思わず涙。かななんは稽古場でもスロースターターのみそっかすだったと。
この子はスマ加入当初から根本的に変わらず不器用なままなんだ、
でもひたすら努力を重ね続けて、最後に素晴らしいものを作り上げてくる。
この子は本当に努力と根性だけで登りつめるんだね。

なんかもう、幼虫が蛹から羽化して美しい蝶になるような、そういう尊さ、美しさ。

普段明るくてにこにこしてお調子者なかななんには、そういう美しさがある。

この曲サントラで何回聞き返しても涙が止まらなくて、嗚咽をあげてしまいそうになる。
舞台で観た時は「あのかななんが、歌でさくらちゃんと渡り合うなんて!」っていう感動で涙が出たんだけど、
1日たって改めてストーリーに思いを馳せると、あまりの切なさに胸が締め付けられる。

サントラもいいんだけど、舞台での圧倒的なかななんの歌声がもう、

思い出しても凄まじくて、
歌唱的な力強さ、
溢れ出る感情の滾り、
どれをとっても素晴らしく、
あの歌姫さくらと完璧なユニゾンを作り上げていた。
あのシーンをもう一度みて泣きじゃくりたい。

・鞘師はもう本当、優等生。求められたことを求められた通りにやる。舞台を背負うに相応しい、歌声の迫力も申し分ない。
でもその顔の赤ちゃんぽいあどけなさとか、肩に力入りすぎて頑張っちゃってるかんじが、まだまだイモっぽくてそこらへんもアイドルらしくて良い。

しかし、実は、主役でありながらむしろ影が薄くなってしまいそうなこの優等生っぷりこそが、
リリウムに張られた罠であった…という考察ブログを拝見して、背筋の悪寒が止まらなくなる。

リリーは優等生であるが故に、誰かに固執しない、誰かを特別に愛したりしない。
親友だったというスノウのことも覚えていない、生前のシルベチカとも特に深く交流があった様子でもない、マリーゴールド固執されてもリリーにとってはマリーゴールドなんて特別でもなんでもない。

だから彼女は最後、
なんのためらいもなくクランの少年少女達を道連れに、死を選ぶことが出来る。

あのシーン「えっ!?」って思ったもん。そんな、勝手に殺しちゃっていいの?と。
もうあの時点で彼女はファルスと同じステージに立って居た。

リリウム、TRUMPに一貫して流れる主題は「誰に愛されても、誰も愛さなかった者への罰」だと聞いた。

優等生リリーは、この物語におけるファルスに続く罪人だったのか。
なんとも…優等生・鞘師里保を主役にした演出家さんの、深い鞘師への理解…
感服した。

これを念頭に置いてもう一度リリウムを見たら、きっと全ての意味がひっくり返ってしまうだろう。

・前評判の良さからもちろん期待はしてたし、娘。の現場もスマの現場も行ったことあるから(研修席はハロコンで)
彼女たちの実力をわかった上で安心して見に行ったわけだけど、
まぁ、あそこまでやるとは思わなかったのです…(鳥肌)

普段は大人計画とかグロい芝居ばかり見てる私だけど、
流石にアイドルの舞台なんだから、悲劇的なストーリーでもお上品で女の子らしい空間になるであろう、と。
安心してた。

しかしまぁ蓋をあけたら…完全にしてやられました、ここまでやっていいんだ…と目から鱗でした。

何度も何度も「え?板の上にいるの、本当にハロメンだけ?ハロメンだけでこの完成度なの?!」と我が目を疑うことしばしば。
あの凄まじい空間には、本当にハロメンしかおらんかったんである。
すごい、これは本当にすごいことだ。

普段はアイドルとしてきらびやかなステージで笑顔を振りまいていて、オフの日は普通の女の子の顔を持つ彼女たちに、
この絶望しかない哀しく美しいお話を演じさせた事実よ…

なんだか、アイドルとしての彼女たちは、クランにいる夢の中の永遠の繭期を過ごす姿のようにも思える。

アイドルを引退し女優になった後ならまだしも、
現役アイドルにこういう血生臭い悲劇を演じさせるその度量。感服。

でも、ステーシーズの時もそういう意見あったけど、大人になって色々上手になった彼女たちじゃなくて、
今の、まだ荒削りで全力で繊細で傷つきやすい現在の彼女たちが、
リリウムという舞台を演じてくれて、本当によかった。
少女が演じなければ説得力を失ってしまう。

前々回のステーシーズといい、アイドル界的にも記念碑となる貴重な舞台だったのではないかな~
アイドルの舞台事情は知りませぬが…普段は小劇場ファンなので。

リリウムのサントラ、なんか足りないと思ったら「スティグマ」か!!「秘密の花が綻ぶ」が入ってないのはわかってたけど!

わたしはスティグマの鞘師・小田・かにょん・めいめいの素晴らしいユニゾンに魅入られ食い入るように見つめていたら、うっかりハルちゃんの殺陣を見逃してしまったのだ(泣)
この2曲は音源化希望~~!